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写真展「フィリピン 路上のパレット」を終えて


写真展「フィリピン 路上のパレット」先ほど会期が終了しました。 https://knk.or.jp/ev230914/

ご来場くださった皆様、フィリピンで一緒に作品を作ってくれた子どもたち、国境なき子どもたちのスタッフの皆様、展示を作り上げてくれた皆様、ありがとうございました。

今回の展示は、写真家として燃え尽きていた自分の心に再び火を灯すきっかけとなりました。


さかのぼること2020年7月、力を入れていたアスリート(陸上競技選手)のプロジェクトをまとめ、写真展として発表。展示と本を作り上げたとき、自分の中が空っぽになっていることに気づきました。撮影したい写真がなくなり、やってみたいこともなくなりました。人が撮影する写真も一切見たいと思えず、好きだった写真展巡りもやめました。

これまで「次はこれを撮りたい」とあくせく走り回ってきた私にとって初めての体験で、どうしたらよいか戸惑いを隠すことができませんでした。

写真に対する情熱が燃え尽き、次にどこへ向かえばよいのか完全に見失ってしまったのです。

世の中はコロナ禍、緊急事態宣言が発令され約半年間ほとんどの仕事がなくなりました。

8年続けていたブータン取材もストップ、海外へ行くこともできなくなりました。貯金もそこをつき、経済的に先の見えない不安が押し寄せてきた時期でした。「写真家の活動をやめようか」という考えが何度となく頭をよぎりました。


コロナの収束がまだ見えていない今年1月、突然KnK国境なき子どもたちに所属する写真家清水匡さんから「フィリピンのストリートチルドレンを取材してみませんか?」というオファーをいただきました。胸の奥の奥に埋まっていた何かが動いた瞬間でした。何ができるのか、どんな写真が撮れるのかなんてその時は分かりません。それでも二つ返事で「やらせてください」と伝えていました。約3年ぶりの海外取材、現場では思い通りにいかないことばかりで、何度も頭を抱えました。それでも現場にいるストリートチルドレンたちと共に作品をつくっている時間は何よりも楽しい時間でした。これまで胸の中にかかった濃い霧が晴れていくような感覚もありました。


写真展「フィリピン 路上のパレット」を終え、撮影したい写真がまた心から湧き上がってきています。改めて写真家として前を見るきっかけをいただくことができました。

これからも不器用な自分ですが、一歩一歩進んで行こうと思っております。

今後とも写真家関健作をどうぞよろしくお願いします。












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