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  • 関健作

日本外国特派員協会(FCCJ)の記者会見「ブータン留学生の窮状」へ


本日、日本外国特派員協会(FCCJ)で行われた

「ブータン留学生の窮状」と題した記者会見に参加してきた。

ブータンから、被害者の会 保護者代表のソナム・ツェリン・デンドゥップさん、

「学び・稼ぐプログラム被害者の会」顧問弁護士であるガワン・トブゲイさんが来日。

一般社団法人Nature & Humans Japan代表理事である菅由美子さんと3人でブータン人留学生の問題について記者会見を開いた。

3人は「学ぶ・稼ぐプログラム」についての問題点について話した。 「学ぶ・稼ぐプログラム」は若者の高い失業率の問題を打破するためにブータン政府が打ち出した取り組みであり、2017年から2018年にかけて約700名の留学生がこのプログラムで日本に送り込まれることになった。

彼らは、渡航のための高額ローン約70万ニュルタム(日本円で約140万円)を組み日本にやってくる。ちなみにブータンの一般的な公務員の給料は1ヶ月3~4万円くらい。

留学生たちは昼間日本語学校へ通い、学びながら夜中じゅう工場などでアルバイトをしてお金を稼いでいる。

ぼくの教え子も何人かこのプログラムで日本にやってきいたので、前からこのプログラムは気にかけていた。

記者会見の3人の話を聞くと、プログラムを斡旋したエイジェントやブローカーの言っていたことと、実際の状況が違い「騙された」と感じている留学生は多くいるそうだ。

日本の生活が耐えられなくなり、借金を抱えたままブータンに帰国した留学生はすでに何十人か出ている。ぼくの教え子も100万円近く借金が残っている。ブータンの物価や月給を考えると、ぼくらの感覚だと1000万円くらいの価値に相当する。

彼らは国に帰っても仕事がなく、手元には大金の借金が残り、未来が見えない状況だ。

留学生の中には重い精神病にかかってしまったものもいる。

昨年12月には自殺者まででてしまった。

こうした状況を見かねて、留学生の保護者たちが声をあげる。

「学び・稼ぐプログラム被害者の会」が発足。

留学生たちが置かれた状況をなんとかしたい、日本で留学生たちに何が起こっているのか、正しく知るために2人のブータン人が来日した。

今回の調査を元に、状況改善やローン返済問題を訴えていくそうだ。

すでに2日間で74人の留学生に会い調査を進めているとのこと。

この後、千葉、仙台、福岡、神戸、大阪などブータン人が住む地域に足を運び、できる限り多くの留学生に会って話を聞くそうだ。

ぼくもこれまで十数名の留学生に会っているが、様々な意見を聞くことができた。

否定的な意見もあえれば前向きな意見もあった。

総じて感じたことは、このプログラムのことを話そうとすると、気まずそうにモゴモゴしてしまう留学生が多かったこと。

不満はあるんだけど、声をあげない。

そんな様子が見てとれた。

おそらく、ブータン政府が打ち出したプログラムなだけに、このプログラムを否定したら政府を否定することになりかねないからだろう。

3人によると、このプログラムをギブアップして帰った留学生はブラックリストに入り、国の仕事につくことはもうできなくなる可能性がある、と話していた。

これは事実かどうかわからないが、たしかにブータンは小国なので噂がすぐに回ってしまう。

小さいコミュニティだから自由に本音を発言できる雰囲気ではないのだ。

留学生の中には日本を楽しみ、プログラムを前向きに捉えているものもいるだろう。 仕事がなく未来を思い描けない多くの若者たちにとってこの日本行きプログラムは「希望」になったことは確かだ。

しかし、何人かの留学生にとっては、斡旋エイジェント、ブローカー、日本語学校に給料を絞り取られ、なかなかローンを返すことができない悶々とした日々。

ゆっくりする時間も人との交流する時間も遊ぶ時間もなく、借金に追われる日々。 そんな生活に耐えられない留学生は出てきて当然だ。

彼らの多くは、山の中でのびのびと育ち、バイトすらしたことがなかったのだから。

苦しい状況にある留学生を助けるためにも、これ以上被害者が出ないためにも、プログラムの制度改善は必要だ。

今回声をあげた保護者代表のソナムさん、弁護士のガワンさんの行動が、本音を言えず悩んでいる留学生の力になることを願っている。

また、日本政府の外国人受け入れ制度、留学生斡旋エイジェント、ブローカー、日本語学校の受け入れ体制が改善することも。 日本外国特派員協会(FCCJ)記者会見「ブータン留学生の窮状」

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