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  • 関健作

ブータンスピリット。


写真:パロゾンの僧侶・ Bhutan2015 NikonD800

Ai AF Nikkor 35mm f/2D

「ブータンって世界で一番幸せな国ですよね?」

って未だによく聞かれます。

最近話題のyahooニュース記事↓

「幸福の国」ブータンで異変 広がる薬物汚染の実態

http://news.yahoo.co.jp/feature/36

ブータン若者の薬物依存が最近深刻になってきているという話です。

というか、薬物に汚染されていない国ってあるんですかね?

どこの国でも薬物の問題はありますよ。

この記事を読んで、

「偽りの幸福に疲れたんだろう。」

「幸福なのにドラッグかい?幸福度世界一?日本もこういう価値観を考える時期?」 「理想の桃源郷なんてないんだよ」

っていう意見を書き込んでいる人がいたんですが、マスコミの影響を受けすぎだと思います。

ブータンの薬物の問題はずっとあるけど、これは一部であってすべての若者がこんなわけではありません。

メディアの影響で「ブータンは世界で一番幸せな国」と多くの人が勘違いしています。

ブータンに詳しい方やブータン人はブータンが世界で一番幸せな国だなんて一度も思ってませんよ。

国連が出している世界幸福度ランキングでもブータンは43位の日本よりも下ですし、他の幸福度ランキングでもブータンは上位に出てきません。

まあ、どんな尺度で幸せを測るかなんでしょうけど、それでもブータンはいろいろな問題を抱えてます。

ではなぜブータンは幸せな国と言われるようになったのか。

それは4代国王が考えたGNHという考えが影響しています。

GNHとはGross National Happiness(国民総幸福)。

簡単に言うと、国民がどれだけ幸せを感じているか充実しているかという指標です。

ブータンはこのGNHを国の発展の指標にしているんです。

多くの国々はGDP(国内総生産)を国の発展の指標にしています。

GDPランキング↓

http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpd.html

※日本3位、ブータン162位

この間、安部総理はGDP600兆円を実現するって言ってましたが・・・。

国民がどれだけお金を稼いだかよりも、心の豊かさを重要に考えるべきだという考えをブータンは発信したのです。

そしてGNHを国策に掲げ、ユニークな国づくりをしてきました。

その背景はアメリカや日本、アジアの国々の経済発展による弊害を見てきたからです。

「お金を作り出してなんぼ!経済を発展させてお金を持てばもっと幸せになれる!」と、

じゃぶじゃぶ資源を消費し、ありとあらゆる手を使ってお金を生み出す競争に多くの国が参加。

その横で、ブータンは考えました。

はたしてこれでいいのかと。他の国と同じ道を歩んでいいのかと。

ブータンはブータンなりに生き残る方法を考えたんです。

それがGNHという国づくり。

それがいつしか多くの国に注目されるようになり、

日本のマスコミが誇張して伝え「世界で一番幸せな国」と呼ばれるようになりました。

しかし実際には、

多くの国の支援がなければ成り立たない国、産業がなく若者の失業率が高い国、

多く若者が将来への不安を抱く国でもあります。

ブータンは独自の道を歩みたいと考えています。

しかしグローバル化・情報化社会はそれを許しません。

多くの国がもっと経済発展するべきだ!もっとGDPを上げるべきだ!と誘う。

他の国の影響を受けて経済至上主義に走ってしまう人が多くいます。

その生き方を否定するわけではありません。

ただ、周りの生き方に影響を受け自分たちの文化や生き方に誇りを持てなくなっている人もでてきています。 それが悲しいんですよね。

つい最近までブータンはほぼ自給自足でした。

というか、首都圏以外の地方では、今でもほぼ自給自足。

自分たちの食べるものは自分たちでつくる農業を営み、お金がなくても村人同士で助け合いながら暮らしていました。 そこに海外の考え方がどんどん入り、お金がある暮らしを知ることになります。 農業や身体を使う仕事でなく、オフィスできれいな仕事がしたい!という若者が急増。

しかし実際にはそんな仕事はほとんどありません。

薬物に汚染されてしまう若者は、理想と現実のギャップ、経済格差、仕事がない焦り、将来への不安、から逃避したいのだと思うんです。

今、ブータンは岐路に立っています。

これまでは王様に頼ってきたが、これからは国民一人一人が立ち上がる時です。

周りからなんと言われたって、

「これが私の生き方だ。これでいい。」と胸を張って言えるような仕事や生き方を導き出さないといけません。

お金をあまり生み出せなくても、人から評価されなくても。

「ブータンはブータンの道を行く!」当時ブータンの4代国王が世界に向けてGNHという独自の国づくりの指針を打ち出したように。

ブータンは他の国や世界が決めた基準に従わない、

自分たちのペースで、自分たちの幸せを追求していこうと努力する国。

一人一人がそんなブータンスピリットを思い出す時なんだと思います。

どんなに罵倒されようとGNHの国づくりを諦めてほしくない。

僕はブータンという国を愛する一人として、ずっと彼らを応援しています。

#ブータン

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